蘇民将来(そみんしょうらい)
巨旦将来(こたんしょうらい)
と読みます。

先日の節分祭の時にいただいた
「茅の輪」
の由来は、この2人の兄弟と、
素戔嗚尊様とのお話が
起源となっています。

ある時、素戔嗚尊様はとある場所へ
行くことになり、旅をしていました。
そしてその途中、夜になってしまい、
近くにあった家に泊めてもらう事に
しました。

最初に訪れたのは、
弟の「巨旦将来」の家でした。
「巨旦将来」のお家は大変裕福で、
蔵が沢山ありました。
素戔嗚尊様は、泊めてもらうように
お願いしますが、
断られてしまいます。

そこで、素戔嗚尊様は、
兄の「蘇民将来」の家に
お願いし、泊めてもらいました。
「蘇民将来」の家は貧乏で、
敷物の代わりに栗殻を敷き詰めて座にし、
栗飯を炊いてさしあげ手厚くもてなしました。
それは蘇民にとって精一杯のもてなしだった。

数年後、素戔嗚尊様は帰り道に、
「蘇民将来」の家に再度お立ち寄りになります。
そして
「巨旦将来への報いと、一夜の恩を受けた
お前のために何かしてやりたいが、
お前の子や孫達はおるのか」
と聞かれると、
蘇民将来は「私と娘と妻がいます」と答えた。
すると素戔嗚尊様は
「茅の茎で作った茅の輪 (ちのわ) を
腰につけておきなさい」

と言われたので、そのとおりにしました。
すると、その夜のうちに、蘇民と妻子以外の、
周りに住む人々がことごとく死に絶え、
ほろぼされてしまいました。

その時素戔嗚尊様は
「今から後の世に疫病がはやれば、
お前達は

“ 蘇民将来の子孫 ”

といって、茅の輪を腰につけなさい。
私の言うとおりにすれば、
茅の輪を腰につけた者は疫病から免れるだろう」
と言われた。

これが、茅の輪が出来た由来です。
年に2回、6月30日と12月31日に、
各神社で『大祓い』が行われます。
その時、大きな「茅の輪」が用意され、
その茅の輪を、左右3回潜って
お祓いをします。
これは、この「蘇民将来」の故事にちなんで
行われているのです。

私が修行している講では、師匠が「蘇民将来」の
「茅の輪」を手作りして、私達に下さいます。


これを家の玄関口に飾ることで、
家の前を疫病を通り過ぎていくのです。