皆様、ご無沙汰しております。
最近、さぼっておりますブログの更新をします(笑)

さて、先月になりますが、私の師匠の表先生とともに、
修行者18名で越の国ご神行に行ってきました。

まず、越の国とは。
古代日本にあった北陸地方から東北地方にかけての
日本海側にあった細長い大きな国家です。
新羅の国から日本海をわたってきた部族によって
作られたとされており、鉄器を作る技術を持ち、
非常に高度な文化を持っていました。
当時の古代日本では、日本海側が表日本であり、
日本海を挟んで、船で大陸や朝鮮半島との交流が
盛んにおこなわれていたようです。

私たちが歴史の授業で習ってきた
「大和王権」や「大和朝廷」よりもはるかに古い国です。
「越」は地名として残ってきました。
日本の昔の行政単位である国(大和国や出雲国など)では、
「越前国(今の福井県)」
「越中国(今の富山県)」
「越後国(今の新潟県)」
などの名前として残っていました。
※ちなみに京都に近い方から、前・中・後と呼ばれます。
今でも、上越、中越などの地方の呼び名が残っていますね。

さて、この越の国と同じ時期には、出雲にも国がありました。
それは、皆さんが良く知っている神様が治めていた国です。
そう、「大国主命(オオクニヌシノミコト)」です。

大国主命は出雲地方を中心に、近畿地方あたりまでを
治めていました。
当然、腰の国と国境を接することになったでしょう。

そもそも、大国主命は日本の国造りを完成させた神様であり、
古事記や日本書紀にも登場する神様ですね。
その国づくりの過程で、当然、越の国と何らかの形で
交流していったことでしょう。
記紀神話では、越の国の「沼河比売(ヌナカワヒメ)」と
大国主命は結婚します。
ここに、出雲王朝と越の国王朝が緩やかに統一されて
いったということではないでしょうか?
そして、越の国と出雲が混ざり合い、お互いの文化が
交わっていきました。
越の国ご神行で参拝する神社のほとんどは、
大国主命が祭られています。
ちなみに、大国主命と沼河比売との間に生まれた神様は、
諏訪大社のご祭神である
「建御名方神(タケミナカタノカミ)」です。
この神様については、またほかの機会に書きますね。

さて、今回のご神行では、以下の神社参拝をしました。
・気比神宮(福井県敦賀市)
・織田劔神社(福井県越前町)
・白山比咩神社(石川県白山市)
・気多大社(石川県羽咋市)
・気多神社(富山県高岡市)
織田劔神社以外は、各国の「一の宮」です。

最後に、今回のご神行の意義について。
元々、今の日本国が建国される前からある国家の痕跡を
実際に尋ね、体験することにより、古い日本国家を知って、
日本人のルーツを、知識だけでなく体感すること。

次回以降は、それぞれの神社参拝でのお話を順番に
していきます。